「今の仕事のままでいいのだろうか」「未経験から新しい世界に飛び込むのは、もう遅いのではないか」――。キャリアの岐路に立つとき、誰もが抱くこの不安を、確かな「技術」によって希望へと変えてくれる場所があります。
設立以来、和歌山のものづくりを支え続けてきた「和歌山産業技術専門学院」。ここでは現在、新卒生だけでなく、新たなキャリアを築こうとする既卒者・社会人経験者たちが、共に「一生モノの技術」を磨いています。
本記事では、副学院長の青柳さんと各訓練科の担当指導員の方々に、教育方針「求める人から、求められる人へ」に込められた真意や、驚異的な就職実績を支える取り組みの全容について詳しくお話を伺いました。技術を身につけた先に待っている、輝かしい未来の可能性をひもときます。
創立70年以上の歴史と「求める人から求められる人へ」の教育方針

戦後間もない時期から和歌山の産業を支えてきた和歌山産業技術専門学院には、長年受け継がれてきた確固たる信念があります。時代が変わっても揺るがないその教育方針と、今も多くの志願者を惹きつける「4つの特色」の正体に迫ります。
まず一つ目は少人数指導です。訓練生約10名に対して1名の指導員が付く体制をとっており、非常にきめ細やかな指導が可能です。二つ目は多彩な資格取得で、設置されている各科において実務に直結するさまざまな資格を取ることができます。三つ目は安心の授業料です。年間授業料11万8,800円に空調費1,800円を加え、年間合計12万600円という非常に抑えられた費用で訓練を受けていただけます。そして四つ目が、高い就職率です。昨年度、令和7年3月の修了生の実績では、98%の方が就職を決められました。
当校は、ものづくりに関する高度な技術や技能を習得できる場です。少人数制の実技訓練を重視し、訓練生が自らの手と頭を使い、考えながら「本物の技術」を身に付けられる学びの場であることを大切にしています。
現在は、時代のニーズに合わせて自動車整備、理容、メカトロニクス(電気・電子・機械)、建築工学、デザイン木工、そして総合実務といった幅広い分野の科を設置しています。地場の伝統的な産業を支える役割は残しつつも、自動車や精密機械など、現代の産業構造に合わせた多角的な技術教育へと進化を遂げています。
短期間でプロの道へ。各科の強みを凝縮した、現場直結の独自カリキュラム

なぜ、1年間または2年間の短期間の訓練で、未経験者がプロの道へ進めるのでしょうか。そこには、通常なら数年かかる資格取得を可能にする驚きの仕組みと、現場のニーズを徹底的に反映した各科独自のプログラムがありました。
続いて、メカトロニクス・CAD科ではどのような特徴がありますか?
特筆すべきは、1年間の訓練修了と同時に「2級建築士」の受験資格が得られる点です。通常、普通高校出身者であれば実務経験が7年必要ですが、当校に入学すれば、1年間の訓練で受験可能になります。これだけの資格を短期間で網羅できる学校は他にないと自負しています。また、専門学校や大学のカリキュラムでは省かれがちな「大工技術」も学べるため、基礎から実践まで幅広く習得できるのが職業訓練校ならではの利点ですね。
業界の第一線で活躍するプロから直接学ぶ、圧倒的な「現場力」の磨き方

教科書通りの知識だけでは、目まぐるしく変化する実際の現場で通用するのは容易ではありません。現役の職人や経験豊富な指導員から直接受け継がれる「生きた技術」が、訓練生の手にどのように宿っていくのか、その熱気あふれる実習の裏側を伺いました。
入学してくる訓練生の多くは普通高校の出身で、工業に関する知識が全くない状態からスタートします。現在の製造現場はプログラムで動く「NC工作機械」が主流ですが、あえて当校では、自分の手で機械を操作して鉄を削ったり、溶接したりといった基礎から徹底して行います。現場のベテランの方からも「自分の手で機械を動かして物を作れる人材は貴重だ」と、非常に高い評価をいただいています。
また、電気工事などの配線や制御も基礎からしっかり行うため、現場での対応力が高いことも当科の強みです。
また、現在指導にあたっている2名の教員は、ともに民間での現場監督経験があります。実際の建築現場がどのような雰囲気なのか、現場ではどのような点に気をつけるべきかといった「生の情報」を授業に交えて伝えるよう意識しています。
デザイン木工科についても、教えていただけますか?
例えば、皿や器、家具の脚を作る「ウッドターニング(木工旋盤)」の著名な先生をお招きしたり、現代の名工に伝統的な「木組み(きぐみ)」を教わったりしています。また、建具では菱組という組子の技法を使った欄間製作、紀州箪笥の伝統工芸士による実演など、業界との太いパイプがあるからこそ実現できる実習を取り入れています。関連企業の皆様の力を借りながら、非常に密度の濃い経験ができる環境です。
就職率98%の裏側にある、ミスマッチを防ぐ徹底した企業連携と支援

「就職すること」をゴールとせず、その先で長く自分らしく活躍し続けるために必要なものとは何でしょうか。驚異的な就職率を支えるのは、一人ひとりの適性を見極め、企業とのミスマッチを極限まで減らすための情熱的なサポート体制でした。
また資格については、色彩やパーソナルカラー、毛髪や薬剤の基礎知識をカリキュラムに取り入れています。これにより、在学中はもちろん、免許取得後も「色彩検定」や「ヘアケアマイスター」といった専門資格へのステップアップができるようサポートしています。
また、外部講師を招いた就職支援も行っています。社会人としてのマナー、履歴書の書き方、就職活動への心構えなどのフォロー体制を整えています。
建築工学科での支援についても教えてください。
就職に関しては、本人の意思と適性を判断し、複数社を提案します。事前に会社見学を行うことで、入社前後のイメージの乖離を最小限に抑えています。その結果、離職率も下がり、企業・修了生の双方から喜ばれています。また、卒業後も「2級・1級」へとステップアップするための勉強会を開催するなど、継続的なサポートも行っています。
県内就職を希望する場合は、私たちが訓練生と一緒に企業訪問を行い、納得感を持って就職できるよう動いています。また、就職後も相談に乗ったり技術向上の支援を行ったりと、「就職してからが本当のスタート」という考えで、卒業後のフォローも大切にしています。
直接コミュニケーションを取ることで、企業側は「これなら一緒に働ける」という実感を持ち、訓練生側も「自分を理解してくれる人がいる会社に興味が湧きました」と前向きになれます。この相互理解の場を、今後も広げていきたいですね。
修了生の声が証明する、技術習得の価値

実際に学院を巣立った人々は、現場でどのような評価を受け、どのような自信を手にしているのでしょうか。未経験からのスタートながら、入社直後から即戦力として重宝される修了生たちのエピソードから、ここで学ぶ訓練の真の価値をひもときます。
また、理容は接客業としての側面が強いため、日頃からコミュニケーションを多く取っています。その甲斐あってか、修了後も学校に顔を出してくれる方が多いんです。近況報告だけでなく、現場で働いて感じた感想や最新の技術を、現役の訓練生に伝えてくれる良い循環が生まれています。
しかし、機械系の製造業に就職して1年目にインタビューした際、「今は一人で5台の機械を操ってものづくりをしています」と話してくれました。企業様からも「ものすごく優秀な人材をいただいた」と感謝され、私たちとしても「就職してここまで戦力になれるのか」と胸が熱くなりました。
また、当科は年齢層が非常に幅広いため、ここでしかできない人脈ができるのも魅力です。就職後も、同級生同士で悩みを共有し合える「横のつながり」ができたことは、彼らにとって大きな財産になっているようです。
特に、現場でのコミュニケーションを再現した訓練が役立っているようです。例えば介護の現場に就職した方の場合、入所者様から「お給料いくらもらっているの?」など、聞かれて困ってしまうような場面を想定し、返し方のバリエーションを訓練します。状況に合わせて「それは内緒です」と明るく返したり、上手にかわしたり。現場特有のやり取りを事前に経験しておくことで、自信を持って働けているという報告をいただいています。
当校は和歌山市小倉の地で60年が経過した歴史ある場所で訓練を行っています。ぜひオープンキャンパスや見学にお越しいただければと思います。「こんなにすごいことをやっているのか!」という驚きや、現場の熱量を直接感じていただけるはずです。今後も多様なニーズに応えられるよう取り組んでまいりますので、お気軽にご相談ください。
転職ガイド運営チーム後記
今回の取材を通じて見えてきたのは、和歌山産業技術専門学院が単なる「技術を教える場」ではなく、一人の人間が自信を持って社会へ羽ばたくための「再出発の拠点」であるということです。もし「未経験だから」「もう若くないから」という理由でキャリアチェンジをためらっているなら、まずはオープンキャンパスへ足を運び、プロの技術と情熱に触れてみてください。そこには、一生を支える「確かな技術」と、あなたを必要とする未来が待っているはずです。
和歌山産業技術専門学院の学院詳細
要項
| 対応職種 | 自動車整備、理容業、製造業、電気・電子、建築業、木工業、介護、事務など |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県和歌山市 |
| 定員 | 普通課程: ・自動車工学科 25名 ・理容科 15名 ・メカトロニクス・CAD科 15名 ・建築工学科 15名 ・デザイン木工科 15名 短期課程: ・総合実務科(知的障害者対象)20名(4月・10月入学併せて) |
| 訓練期間 | 普通課程: ・自動車工学科 2年 ・理容科 2年 ・メカトロニクス・CAD科 2年 ・建築工学科 1年 ・デザイン木工科 1年 短期課程: ・総合実務科(知的障害者対象) 1年 |
| 訓練時間帯 | 午前9:00から午後4:00まで (12:35から13:20は昼休憩) |
| 受講形式 | 通学 |
| 開講頻度・募集時期 | 普通課程:4月入学 短期課程:総合実務科(知的障害者対象):4月・10月入学 |
| 受講費用 | 普通課程:年間118,000円 短期課程、総合実務科:無料 但し教科書、作業着、各種道具代は別途必要 |
| 受講生に対する支援 | 雇用保険・求職者支援・訓練手当(居所を管轄する各ハローワークにご相談ください。) 通学定期券利用可 経済的困窮世帯等に対する授業料減免制度 |
カリキュラム詳細
訓練カリキュラムの概要
詳しくは当学院ホームページをご確認ください。
提供しているコース・訓練内容
普通課程:
- 自動車工学科
- 理容科
- メカトロニクス・CAD科
- 建築工学科
- デザイン木工科
短期課程:
- 総合実務科(知的障害者対象)
使用する教材・機材
詳しくは当学院ホームページをご確認ください。
取得可能な資格
詳しくは当学院ホームページをご確認ください。
実習の有無
有
訓練施設の設備
各科で共用のPC室、各科毎の実習室、貸出可能なタブレット
他の訓練校と比較した強み
各科関係企業と太いパイプを持ち、和歌山県内で特に就職がしやすい。
教育方針・カリキュラム作成の方針
就職に向けて実習を主体した訓練内容にしています。
PRポイント
- 少人数指導(各クラス少人数制なので、より詳しく納得のいく授業を受けられます)
- 多彩な資格取得(在学中に取得できる資格が非常に多く、修了後は即戦力につながります)
- 安心な授業料(年間118,800円の授業料です)
- 高い就職率98%(和歌山校令和7年3月末時点)
受講を検討している人へのメッセージ
あなたも当学院で学ぶことで「求める人」から、「求められる人」になりませんか!
その他特記事項
長い歴史があり、幅広い年齢の方が訓練を受講しています。
実績
| 過去の受講生の属性 | (令和7年度4月入学生) 普通課程:15歳から59歳 短期課程:18歳から47歳 いずれも幅広い年齢の方が入学しています。 |
|---|---|
| 企業との連携の有無 | 当学院宛にいただいた求人票による紹介及び各科で企業説明会等の就職支援を実施しています。 |
| 連携している企業・業界 | 各科関係業界の企業から毎年多くの求人をいただいています。 |
| 求職者支援の有無 | 各科で就労に係る相談及び保護者を交えての協議、履歴書・面接対応を行っています。 |
| 訓練修了率 | 80% (和歌山校令和6年度修了生) |
| 受講後の進路 | 就職率98% (和歌山校令和7年3月末時点) |
| 就職・転職成功事例 | 詳しくは当学院ホームページ各科紹介の修了生インタビューををご覧ください。 ・自動車工学科 ・理容科 ・メカトロニクス・CAD科 ・建築工学科 ・デザイン木工科 ・総合実務科 |
キャンパス
| 所在地 | 〒649-6261 和歌山県和歌山市小倉90番地 |
|---|---|
| 設立年 | 昭和21年8月 |
| 電話番号 | 073-477-1253 |
| メールアドレス | e0607011@pref.wakayama.lg.jp |
| 学校HP | https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/060701/ |

