「今の仕事のままでいいのだろうか」
「新しいスキルを身につけたいけれど、何から始めればいいか分からない」
そのような将来への期待と、小さな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
千葉県東金市にある「千葉県立東金テクノスクール(愛称:ちばテク東金校)」は、新しい一歩を踏み出そうとする人々に寄り添う、技術習得の拠点です。
ここでは、AI時代だからこそ価値が見直されている「手仕事」の技術を、基礎から丁寧にはぐくめる環境が整っています。
10代から40代、さらにはその評判を聞きつけて遠方からも訓練生が集まるという同校。一人ひとりの背景を尊重する温かなサポートの裏側には、どのような想いがあるのでしょうか。
今回のインタビューでは、副校長兼訓練第二課長の長濱 晃子さんに詳しくお伺いしました。
地域と企業のニーズに応え続け、一人ひとりに寄り添う「現場主義」の教育方針

設立以来、時代のニーズに合わせて進化を続けてきた千葉県立東金テクノスクール(以下、「ちばテク東金校」)。まずは、幅広い世代が共に学ぶ同校が、どのような想いで地域の人材育成に向き合っているのか、その歴史と教育方針の核心に迫ります。
例えば、高校卒業以上の方を主な対象としている訓練科では、新規学卒者が7割から8割を占めることもあります。また、専門学校や大学を卒業した後に、より実践的な技術を身につけるために、20代前後で入校される方も多くいらっしゃいます。このように幅広い年代の方が共に学んでいます。
デザイン、伝統建築、そしてちばテク唯一の「デュアルシステム」。特色豊かな3つの訓練科の学び

県内でも珍しい独自の3つの訓練科を揃える背景には、現場で即戦力として活躍するための確かな戦略があります。未経験からでも着実に「プロのスタートライン」に立てるよう、こだわり抜かれたカリキュラムの具体的な特色を詳しく紐解いていきましょう。
例えば「空間デザイン科」では、デザインから制作まで、ディスプレイ業務における一連の流れを重視したカリキュラムを実施しています。
専門用語も一から丁寧に。成功体験の積み重ねで「プロとしての自覚」を

全くの未経験から専門技術の世界に飛び込む際、誰もが抱く「自分にできるだろうか」という不安。それを確かな「自信」へと変えるために、日々の実習でどのような工夫が凝らされているのか、訓練生の主体性を引き出す指導の舞台裏を詳しく伺いました。
また、訓練の中で一つひとつの実習や作業を「成功体験」として積み重ねていくことで、皆さんに自信をつけていただき、社会人として働くイメージを描けるよう指導しています。さらに、共同で行う実習課題も多く取り入れています。それぞれが自発的に役割を見つけたり、コミュニケーション能力を高めたりすることで、プロの技能者としての自覚を育むことを目指しています。
履歴書の添削からメンタルケアまで。納得のいく就職を叶える多角的な伴走支援

技術を身につけるだけでなく、その先の「納得のいく就職」までを徹底して支えるのが、ちばテク東金校の大きな強みです。書類作成の細やかな指導から専門家によるメンタルケアに至るまで、訓練生が一人で悩まないための充実した伴走体制に注目します。
さらに週1回、精神保健福祉士も勤務しており、訓練生のメンタル面での悩みについても専門的な知見を持って対応しております。
「通うのが楽しい」家族からも届く感謝の声と、輝く修了生の姿

教育の真価は、修了生たちが社会でいきいきと活躍する姿に最もよく現れています。本人だけでなく家族からも感謝の声が絶えないというエピソードからは、技術習得を通じて人生が前向きに変わっていく瞬間の輝きが伝わってきます。
また、修了後も熱心に技能の習得に励んで「技能五輪」に出場したり、それぞれの仕事の報告に来てくれたりする方もいます。例えば、「社寺建築に携わった」など、それぞれの現場での活躍をいきいきと話しに来てくれることは大変嬉しく、私たち指導員の励みにもなっています。
転職ガイド運営チーム後記
ちばテク東金校での学びは、単に「職を得るための手段」に留まるものではありません。建築や左官といったAIに代替されにくい「一生モノの技術」を、基礎の基礎から徹底して磨き上げていく環境があります。その一歩ずつの成功体験こそが、訓練生の中に揺るぎない自信とプロとしての自覚を育てていくのだと感じました。
もし今の自分に迷いがあるなら、まずは見学会へ足を運び、真剣に技を磨く訓練生の熱気に触れてみてください。ここで手にする確かな技術と「自分にもできる」という確信は、これからの人生を切り拓く何よりの原動力になるはずです。
千葉県立東金テクノスクール(愛称:ちばテク東金校)の学校詳細
キャンパス(空間デザイン科・建築科・左官技術科共通)
| 所在地 | 〒283-0804 千葉県東金市油井1061-6 |
|---|---|
| 設立年 | 昭和42年 |
| 電話番号 | 0475-52-3148 |
| メールアドレス | tugn-gisen@mz.pref.chiba.lg.jp |
| 学校HP | https://www.pref.chiba.lg.jp/kg-tougane/index.html |
他の訓練校と比較した強み
- 充実した就職支援による高い就職率。
- 少人数制によるきめ細かい指導により、技術や資格を習得。
- 低額で安心な授業料(有料の訓練科と無料の訓練科有り)
教育方針・カリキュラム作成の方針
公共の職業能力開発校として、民間の訓練機関では取り組みが難しい「ものづくり分野」を中心に職業訓練を行っています。デザイン系及び建築系の専門校として、充実した設備と実践的なカリキュラムを備え、関連業界での就職に役立つ知識と技術を身につけた人材を育成しています。
PRポイント
充実した訓練設備を十分に活用し、少人数制できめ細かな指導を一人ひとりに行っています。経験の有無にかかわらず、各関連業界に直結する技術を基礎から学ぶことができます。
受講を検討している人へのメッセージ
見学は随時受け付けております。また、体験付きオープンキャンパスも年4回実施していますので、お気軽にお問合せください。
空間デザイン科の詳細
要項
| 対応職種 | ディスプレイ業、POP広告業、屋外広告業、室内装飾業 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県東金市 |
| 定員 | 20名 |
| 訓練期間 | 2年間 |
| 訓練時間帯 | 9時00分~16時25分 |
| 受講形式 | 通学(訓練の一部をオンラインで行う場合も有り) |
| 開講頻度・募集時期 | 【開講頻度】4月開講 【募集時期】9月~3月(空間デザイン科のみ推薦入校選考有り) |
| 受講費用 | 入校料:5,650円 授業料:118,800円(1年につき) ※その他、教科書代、作業服、個人用教材費等は本人負担となります。 |
| 受講生に対する支援 | ・授業料減免制度(要件あり) ・定期乗車券購入時の学割適用 ・技能者育成資金融資制度 ・各種給付金については、住居地を管轄するハローワークにご相談ください。 |
カリキュラム詳細
訓練カリキュラムの概要
展示会や商業施設に関するディスプレイの企画、デザインから制作まで、空間づくりに関する幅広い知識・技術を総合的に学びます。その基礎としてCGソフト(Illustrator、Photoshop)やCADソフト(Vectorworks)の操作、設計製図、看板やPOP等の広告物の制作、内装施工、塗装、装飾展示、各種材料の加工・組み立てなど、幅広い技術を習得します。
提供しているコース・訓練内容
普通課程空間デザイン科
取得可能な資格
- 3級~2級広告美術仕上げ技能士
- 色彩検定3級~1級
- 商業施設士補
- 技能士補
実習の有無
インターンシップ有
その他特記事項
空間デザイン科では、日本プロモーショナル・マーケティング協会主催の「次世代クリエイティブ・チャレンジコンテスト」(旧ヤングクリエイティブ・アワード)に毎年参加しております。これまでに8作品が金賞を受賞し、2025年度も最優秀賞を受賞するなど、毎回高い評価を得ています。
実績
| 過去の受講生の属性 | 主に若年者 |
|---|---|
| 企業との連携の有無 | ・無料職業紹介事業 ・校内での採用担当者による企業説明会(科ごとに異なる) ・企業見学会(バス見学) |
| 連携している企業・業界 | ・ディスプレイ業 ・屋外広告(看板)業 ・内装業 ・POP広告業 |
| 求職者支援の有無 | 就職支援アドバイザー及び各科担当指導員による、キャリアカウンセリング、履歴書及び応募書類添削、面接指導など、きめ細かい就職支援を行っています。 |
| 訓練修了率 | 約79%(令和4年度~令和6年度平均) |
| 受講後の進路 | 【就職率】約97%(令和4年度~令和6年度平均) |
建築科の詳細
要項
| 対応職種 | 総合建築業、リフォーム業、内装業 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県東金市 |
| 定員 | 30名 |
| 訓練期間 | 1年間 |
| 訓練時間帯 | 9時00分~16時25分 |
| 受講形式 | 通学(訓練の一部をオンラインで行う場合も有り) |
| 開講頻度・募集時期 | 【開講頻度】4月開講 【募集時期】10月~3月 |
| 受講費用 | 無料 ※教科書代、作業服代は本人負担となります。 |
| 受講生に対する支援 | ・交通機関の学割が適用される場合あり ・各種給付金については、住居地を管轄するハローワークにご相談ください。 |
カリキュラム詳細
訓練カリキュラムの概要
在来軸組工法を中心に、ツーバイフォー工法の施工に必要な技能も習得できます。具体的には、まず基本実技で継手や仕口の加工を通して刃物の研ぎ方や手工具の使い方を学びます。次に応用実技で在来軸組工法による模擬棟作成などの施工実習を行い、実務に即した実践的な技能を習得します。
提供しているコース・訓練内容
短期課程建築科
取得可能な資格
- 丸のこ等取扱従事者安全衛生教育修了証
- 三級建築大工技能士
その他特記事項
建築科では実習の中で、地元の山武杉を使い、木取り、墨付け、加工、組立てまでを手作業で行い、模擬棟(住宅一棟分)を作成します。訓練生がそれぞれの部分を分担し協力しながら制作する実践的な訓練を行っています。
実績
| 過去の受講生の属性 | 15歳から60歳を超えた方まで幅広く入校しています。 |
|---|---|
| 企業との連携の有無 | ・無料職業紹介事業 ・校内での採用担当者による企業説明会有(科ごとに異なる) ・企業見学会(バス見学) |
| 連携している企業・業界 | ・総合建築業 ・リフォーム業 ・内装業 |
| 求職者支援の有無 | 就職支援アドバイザー及び各科担当指導員による、キャリアカウンセリング、履歴書及び応募書類添削、面接指導など、きめ細かい就職支援を行っています。 |
| 訓練修了率 | 約84%(令和4年度~令和6年度平均) |
| 受講後の進路 | 【就職率】約98%(令和4年度~令和6年度平均) |
左官技術科の詳細
要項
| 対応職種 | 左官業、タイル業、造園業 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県東金市 |
| 定員 | 8名 |
| 訓練期間 | 9か月(デュアルシステム訓練) 6か月(短期訓練) |
| 訓練時間帯 | 9時00分~16時25分 |
| 受講形式 | 通学(訓練の一部をオンラインで行う場合も有り) |
| 開講頻度・募集時期 | 【開講頻度】 4月開講(デュアルシステム訓練) 10月、3月開講(短期訓練) 【募集時期】 10月~3月(デュアルシステム訓練) 7月~9月(短期訓練10月開講) 12月~2月(短期訓練3月開講) |
| 受講費用 | 無料 ※教科書代、作業服代は本人負担となります。 |
| 受講生に対する支援 | ・交通機関の学割が適用される場合あり ・各種給付金については、住居地を管轄するハローワークにご相談ください。 |
カリキュラム詳細
訓練カリキュラムの概要
伝統技術に基づく塗り壁作業の基本を習得します。訓練は基本的な「材料練」から始めて「塗り壁作業」等を反復して行う実技を中心としたもので、「タイル張り」「ブロック積み」等の訓練も取り入れています。更に応用課題としてデザイン的要素を取り入れた「擬木」や「敷石」等の仕上げ作業にも取り組みます。
なお、デュアルシステム訓練では、校内訓練の後に企業実習(有給就労)を実施し、技能者としての心構えや技能的レベルアップを図り就職を目指します。
提供しているコース・訓練内容
短期課程左官技術科(デュアルシステム訓練、短期訓練)
取得可能な資格
- 丸のこ等取扱従事者安全衛生教育修了証
- 自由研削といし取替業務特別教育修了証
- 振動工具取扱作業者安全教育修了証
実習の有無
デュアルシステム訓練
その他特記事項
左官技術科では、日本版デュアルシステム訓練を行っています。これは、施設内訓練(6か月)と有給での企業実習(3か月)を組み合わせた、「働きながら学ぶ、学びながら働く」システムであり、人材育成に熱心な企業と連携することで、より実践的な技能、技術を身につける事ができます。
実績
| 過去の受講生の属性 | 15歳から60歳を超えた方まで幅広く入校しています。(左官技術科デュアルシステム訓練は概ね55歳まで) |
|---|---|
| 企業との連携の有無 | ・無料職業紹介事業 ・校内での採用担当者による企業説明会有(科ごとに異なる) ・企業見学会(バス見学) |
| 連携している企業・業界 | ・左官業 ・タイル業 ・造園業 |
| 求職者支援の有無 | 就職支援アドバイザー及び各科担当指導員による、キャリアカウンセリング、履歴書及び応募書類添削、面接指導など、きめ細かい就職支援を行っています。 |
| 訓練修了率 | 左官技術科デュアルシステム訓練:約80%(令和4年度~令和6年度平均) 左官技術科短期訓練:約73%(令和4年度~令和6年度平均) |
| 受講後の進路 | 【就職率】約94%(令和4年度~令和6年度平均) |

