職業訓練は、毎年多くの人が受講しています。
- 公共職業訓練の受講者数:95,634人
- 求職者支援訓練の受講者数:44,698人
参照:ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況|厚生労働省

一言で「職業訓練」と言っても、受講者の多様な目標に合わせてコースが用意されており、内容はさまざまです。

Webデザイナー・Web制作
主な学習内容:デザインツール(Photoshopなど)
コーディング(HTML, CSS)
WordPress(CMS)
Webマーケティング・サイト運営
主な学習内容:SEO知識
Web広告運用
アクセス解析
プログラミング・ITエンジニア
主な学習内容:プログラミング言語(Java他)
データベース基礎
ネイリスト
主な学習内容:ネイルケア、ジェルネイル技術
今回は、0からのスタートでも転職成功を目指せる、おすすめの職業訓練コースの選び方を解説します。
職業訓練を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
本当に自分に合うか?おすすめの職業訓練コースの選び方
気になるコースがある人もない人も、まずは「本当に自分に合うか?」を基準に職業訓練コースを選びましょう。
そもそも「自分に合う」はどのようなポイントで判断すべきかを踏まえて、選び方を解説します。
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求職者支援訓練 or 公共職業訓練の対象になるかで選ぶ
公的な職業訓練である「ハロートレーニング」には、公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類があります。
どちらも就職相談や求人紹介を受けられますが、以下のように対象者が異なるため、条件に合う訓練をあらかじめ選んでおきましょう。
公共職業訓練
離職している人
雇用保険の基本手当を受給できる人
求職者支援訓練
雇用保険に加入していなかった人
すでに基本手当の支給が終わった人
雇用保険の基本手当を受け取れる人は、公共職業訓練を利用するケースが一般的です。
安定所長からの受講指示を受けることで、訓練期間中も基本手当に加えて受講手当や通所手当が支給されます。
生活費の負担を抑えながら学べる点が大きなメリットです。
一方で、雇用保険に加入していなかった人や、すでに基本手当の支給が終了している人は、求職者支援訓練が対象になります。
一定の収入・資産要件を満たすと、月10万円の職業訓練受講手当に加え、通所手当や寄宿手当を支給してもらえるため、経済的な負担を抑えながら受講可能です。
ただ、次の派遣先が見つかるまでパート勤務していた人や、自営業・フリーランスだった人、家族と同居している人は迷ってしまうでしょう。
「自分はどちらにあてはまるのか」の判断が難しいと感じた場合は、一度ハローワークの窓口に相談するのをおすすめします。
離職票や雇用保険被保険者証、世帯収入の分かる書類を見せれば、どちらの職業訓練にあてはまるかを丁寧に教えてもらえるはずです。
「希望業界の就職」「スキルの強化」など、ゴールを決めてコースを選ぶ
職業訓練を受ける理由は今の仕事で評価を高めるためなのか、それとも別の業界に移るためなのか。
自分のゴールをはっきりさせましょう。
職業訓練のコースを「とりあえず人気だから」という理由で決めると、就職活動で企業から「なぜそのコースを受講したのか」と聞かれた際に困る場合があります。
ゴールが明確になれば、どの職業訓練コースを選ぶべきか判断できるはずです。

やりたい仕事と学ぶ内容が一致していれば、面接で話す内容もまとまりやすくなります。
仕事に関連する資格を取ったり、授業で作成した作品をポートフォリオ(作品集)にまとめたりすれば、異動の相談や転職活動でアピールでき、希望する仕事に就きやすくなるでしょう。
やりたい仕事が決まっていない場合は、パソコンやビジネスマナーの基礎コースで働くイメージをつけてから、続けられそうな仕事を探す方法もあります。
公共職業訓練と求職者支援訓練で開催されるコースを見ながら、興味のあるジャンルを絞っていきましょう。
就職率を高めるなら人手不足の業界コースもあり【医療・福祉・建設ほか】
学んだことを仕事にしたい場合、自分が興味を持てる仕事かどうかはもちろん「その仕事は今どれくらい人手を求めているか」もチェックしておきましょう。
就職率を高めるための戦略として、人手不足の業界を狙うのも一つの方法です。
求人の多さを知るうえで目安になるのが「有効求人倍率」です。
これは「仕事を探している人1人につき何件の求人があるか」を示した数字で、1.0倍よりも高い数字であればあるほど競争率が低く、就職しやすい状態と言えます。
労働基準監督署のデータによると、医療・福祉・介護・建設業界は以下のとおり有効求人倍率が高い状態です。
未経験でも職業訓練で、需要の多い業界の専門分野について、基礎をしっかり学んでおけば、採用のチャンスが広がるでしょう。
| 職業分類 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 福祉関連 | 2.74倍 |
| 介護関連 | 3.58倍 |
| 建設・採掘従事者 | 3.22倍 |
有効求人倍率の高い福祉・介護・建設業界を狙う場合、おすすめの職業訓練コースは以下のとおりです。
- 福祉・介護業界:介護職員初任者研修、介護職員養成コース
- 建設業界:電気工事士、施工管理補助、設備保全の基礎を学ぶコース
上記は授業で知識を身につけるだけでなく、企業実習や手厚い就職支援を受けられることも多いため、応募しやすい環境が整っています。
ただ、人手不足の仕事は負担が大きくなりやすいのがデメリットです。
夜勤や早朝勤務があったり、人が少ない分責任の重さを実感したりすることもあるでしょう。
そのため、有効求人倍率だけで決めてしまうのではなく、以下のように仕事の優先順位を整理しておくことが重要です。
- 本当にその業界で働きたいのか
- 焦って「求人が多く採用されやすいから」という理由だけで選んでいないか
- 多少大変でも「人の役に立つ仕事をしたい」という思いがあるか
説明会や見学会、キャリア相談の場で、実際の働き方やサポート体制について詳しく質問し「自分が無理なく続けられそうか」をイメージしてみてください。
就職のしやすさと自分の気持ちを照らし合わせながらコースを選ぶことで、後悔を防げるはずです。
希望するコースの訓練期間・選考の内容と基準も考慮して選ぶ
職業訓練を選ぶ時は「訓練期間」と「選考内容」も確認することをおすすめします。
まず訓練期間中の生活費を計算すれば、経済的な不安なく職業訓練に臨めるからです。
目安として、公共職業訓練は3ヶ月〜2年と長めのコースが多く、求職者支援訓練は2〜6ヶ月の短期〜中期が中心です。
詳しくは、以下の表をご覧ください。
| 種類 | 期間 | 選考内容 |
|---|---|---|
| 公共職業訓練 | 約3ヶ月~2年 ※長期間の講座が多め | 選考・適性検査に合格 (学科試験、面接試験など) |
| 求職者支援訓練 | 2~6ヶ月 ※短期~中期の講座が中心 | 筆記試験・面接に合格 |
職業訓練は申し込み要件を満たしていても、必ず受講できるわけではありません。
面接や筆記試験で、就職への意欲、通学できるかなどを総合的に判断された結果、不合格になることもあります。
定員に空きがあったとしても判断基準は変わりません。
第一に「この期間で何を達成したいのか」「自分にとってなぜこの訓練が必要なのか」を自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
また、以下はあくまで一例ですが、期間ごとに訓練内容が変わる傾向があります。
コース例
PC事務(Word, Excel基礎)
ビジネスマナー
医療事務(基礎)
介護職員初任者研修 など
短期コースは「早めに再就職したい」「まずは基礎を固めたい」と考える人に向いています。
中期〜長期コースは資格取得や未経験職種への挑戦を本格的に目指すスタイルが多く、学習量も増えるのが特徴です。
長期の受講を考える際は、訓練期間中の収入や貯蓄のバランス、家事・育児との両立が可能かどうかを紙に書き出してみると判断しやすくなります。
気になるコースごとに「期間」「平日の時間帯」「通学場所」「選考方法」「家計のやりくりが必要か」を一覧にして見比べるのもおすすめです。
授業だけでなく、予習や復習の時間も確保できるか、一度シミュレーションしてみるとよいでしょう。
迷った時は、ハローワークで時間割や選考内容を確認したり、説明会や見学で疑問点を直接聞いてみたりすると不安が少なくなります。
おすすめの職業訓練コース9選【在宅・事務・未経験スタート可の業界あり】
在宅・事務・未経験スタート可など、条件ごとにおすすめの職業訓練コース9選を紹介します。
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将来的に在宅を目指したい人向けコース4選|IT・Web・ネイリスト

「いつかは在宅で働きたい」
「PCスキルを活かして家で仕事ができるようになりたい」
そう考えるなら、IT・Web系のスキルや、自宅で開業できる技術を学べるコースをおすすめします。
最初から完全在宅で働くのは難しいですが、まずは通勤ありの仕事で経験を積み、少しずつ在宅やフリーランスに移行していく流れが一般的です。
具体的なコース例は以下を参考にしてみてください。
主な学習内容
デザインツール(Photoshopなど)
コーディング(HTML, CSS)
WordPress(CMS)
活用例
ホームページやバナー画像を作成
Webサイトの見た目を調整
ブログやサイトの更新管理
IT・Web分野の職業訓練コースでは、オンラインで完結する仕事のスキルを学べるのが特徴です。
授業で作ったページやバナー、プログラミングコースで作ったコード、Webマーケティングコースでサイトを改善した実績などをレポートや制作物として残しておきましょう。
上記はすべて、応募時に見せられる材料になります。
IT・Web業界の就職では、ITパスポートのような資格や、自分で作ったサイト・デザインを証明できるポートフォリオ(作品集)が重視されます。
アピール材料になる作品を増やせる点は、職業訓練の大きなメリットです。
パソコンを使う仕事以外では、ネイリストのコースもおすすめできます。
サロンで経験を積んだあと、自宅の一角を利用してホームサロンを開業する道もあるためです。
予約時間を自分で管理できて、子育てや家事と両立しやすいのが魅力です。
自宅で仕事をする方法として、在宅志向の人と相性が良いでしょう。
ただし、どのコースを選んでも、すぐに在宅ワークだけで生活するのは難しい印象です。
職業訓練はあくまで基礎固めにすぎません。
訓練修了後にも学びを深めながら、実務経験を積み上げれば、理想のライフスタイルへと近付けます。
まずは自分に合ったスキルを身につけることから始めてみましょう。
事務・管理部門に転職したい人向けコース3選|PC・経理・人事

事務や管理部門に興味があっても「パソコン操作に自信がない」「数字が苦手で不安」と感じて、なかなか踏み出せない人もいるでしょう。
その場合は、事務・管理部門系の職業訓練で基礎から実務スキルを学ぶと、求人票の内容がイメージしやすくなります。
具体的なコース例は以下のとおりです。
主な学習内容
Excel(関数など)
Word
PowerPoint
活用例
売上集計やデータ分析資料を作成
契約書や送付状などのビジネス文書を作成
プレゼン資料や企画書を作成
「OA事務・PCスキル習得」は、未経験からオフィスワークに挑戦したい人向けです。
Excelの表や関数、Wordのビジネス文書、PowerPointの資料作成などを一通り学びます。
そのうえで売上集計やデータ整理、契約書や送付状、プレゼン資料づくりなど、一般事務で任されやすい作業に慣れていきます。
数字を扱う仕事を目指したい人は「経理・会計事務」がおすすめです。
会社のお金の動きを管理するため、簿記の知識や会計ソフトの操作、給与計算の流れなどを習得します。
経理部や会計事務所で働きたい人は、訓練と並行して日商簿記検定の取得を目指すと、学習意欲や本気度を評価してもらえるでしょう。
会社や社員を支える役割に関心がある人は「人事・労務(総務)」もチェックしてみてください。
社会保険の手続きや労働基準法のポイント、入退社に伴う書類作成など、人を雇用するうえで必要なルールを学びます。
総務や人事部門への転職を目指す人に特化した内容です。
もし、すでに一般事務の経験がある人は、訓練よりもExcelの応用機能やMOS、簿記、秘書検定などを働きながら取得するほうが早い場合もあります。
しかし、ブランクが長くて復帰が不安な人や、一般事務から経理・人事といった専門分野へキャリアチェンジしたい人は、訓練を活用して体系的に学び直すのがおすすめです。
しっかりと準備を整えてから転職活動をスタートできるため、自信を持って面接に挑めるでしょう。
未経験から求められる業界に転職したい人向けコース2選|介護・CAD

「これから新しいスキルを身につけるなら長く安定して働ける仕事がいい」と考えているなら、介護やCAD(建設)のコースをおすすめします。
介護・CADはいずれも景気に左右されにくく、地域の生活を支える仕事だからです。
未経験の業界へいきなり飛び込むのは勇気がいりますが、職業訓練なら教室で基礎から練習できます。
「自分にできるのか」と不安を感じている人でも、職業訓練に参加すれば授業を通して適性があるかどうかを判断できるはずです。
具体的なコースは以下をご覧ください。
主な学習内容
介護の基本知識
身体介護の技術
生活支援の技術
活用例
介護職としての心構えを学ぶ
食事、入浴、排泄などの介助を行う
掃除、洗濯などの生活サポートを行う
参照:公益財団法人 介護労働安定センター|介護に関する資格等について
参照:JEEDポリテクセンター中部|CADメカニカルデザイン科【DX対応訓練コース】
介護分野では「介護職員初任者研修」「実務者研修」につながる訓練が多く、食事や入浴の介助、掃除などの生活サポートをロールプレイ形式で学びます。
修了後は特別養護老人ホームやデイサービスなど、多様な施設・働き方を検討可能です。
人と関わるのが好きな人や、家族の介護経験を活かしたい人に向いている仕事でしょう。
また職業訓練後の就職支援が手厚く、キャリア相談や求人紹介、企業実習までまとめてサポートしてくれる場合もあります。
訓練後の進路が不安でも、サポートがしっかりしていれば安心できるはずです。
また、CADオペレーターや建設事務のコースでは、AutoCADなどのソフトを操作、図面の読み取り、建設業ならではの事務業務を学びます。
最初は直線を引く練習からスタートしますが、数ヶ月後には図面を見て必要な寸法を入力できるようになるでしょう。
コツコツとパソコンに向かう作業が好きな人や、モノづくりに興味がある人に向いており、将来は3DCADや設備保全へとステップアップが可能です。
職業訓練受講中のお金の問題を知りたい!【失業保険・給付金について】
経済的な不安なく職業訓練を受けたほうが、精神的にも安心して前進できるはずです。
少しでもお金の心配が軽くなるよう、職業訓練受講中のお金の問題について解説します。
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失業保険をもらいながら訓練受講できる?→できます
一定の条件を満たせば、失業保険(基本手当)を受け取りながら訓練に通えます。
「仕事を辞めたあとの生活費は不安…でも職業訓練でスキルアップしたい」と悩む方も、条件を満たしていれば安心できるでしょう。
重要なポイントは、ハローワークの職業相談で「再就職のために訓練が必要だ」と認められ「受講指示」を受けることです。
指示を受けた状態で職業訓練を受講すれば、訓練期間中も継続して失業手当が支給されます。
さらに心強いのが給付期間の延長制度です。

本来の給付日数が訓練の途中で終わってしまう場合でも、訓練終了日まで延長して手当を受け取れる仕組みがあります。
仕事探しを一時的にストップして訓練に集中していても、途中で生活費が途切れないため、安心して勉強に集中できるでしょう。
また、サポート内容は基本手当だけではありません。
受講指示が出ている訓練であれば、通学にかかる交通費として1ヶ月税込42,500円までの「通所手当」や、通学日1日につき税込500円(上限40日)の「受講手当」も支給されます。
授業料が原則無料な点も含めると、経済的な負担が重くのしかかることはないでしょう。
ただし、全員が自動的に延長給付や手当の対象になるわけではありません。
申し込み時点で失業保険の残り日数が少ないと、サポートを受けられない場合があります。
「失業保険をもらいながら職業訓練を受けてみたい」と少しでも考えたら、残りの日数に余裕があるうちに、早めにハローワークへ相談しましょう。
※1 参照:ハローワークインターネットサービス|基本手当について
※2 参照:愛知労働局|Q9 訓練中は失業給付が延長されるの?
職業訓練中の給付金って誰でももらえる?→審査があります
給付金は誰でも無条件で受け取れるわけではありません。
制度ごとに対象者が決まっており、ハローワークの審査に通った人だけが、職業訓練中に手当を受け取れます。
「給付金をもらえると期待していたのに受け取れなかった」という失敗を防ぐためにも、まずは自分がどの制度を利用できるか整理しましょう。

まず、雇用保険の受給資格がある人は、公共職業訓練を受けながら基本手当を受け取るのが一般的です。
金額は離職前の収入をもとに計算され、条件に応じて日額税込500円(上限40日)の受講手当や通所手当が追加されます。
受け取れる総額は人によって異なりますが、金銭面で支援を受けられるのは心強いと感じられるでしょう。
一方、失業保険をもらえない人や受給が終わった人は、求職者支援訓練の「職業訓練受講給付金」を受け取れる場合があります。
審査に通れば月10万円に加えて、通う距離に応じた通所手当(上限税込42,500円)や寄宿手当(月税込10,700円)を受給可能です。
しかし、世帯収入や貯金額、同居家族の状況まで細かく確認され、申し込みをすれば全員が受け取れるというわけではありません。
注意点としては、どちらの制度も「きちんと通い続けているか」「就職に向けて行動しているか」が重視されます。
もし出席率が低かったり、途中で退校したりすると、支給が止まるかもしれません。
また、給付金だけで生活費をまかなうのは難しいケースがほとんどです。
訓練に集中するためにも、今の家賃や食費を書き出し、いくら足りないか計算しておきましょう。
あらかじめ数ヶ月分の生活費を準備しておけば、余裕を持った状態でスキル習得に励めます。
働きながら職業訓練は受けられる?→条件ありで可能です
働きながらでも職業訓練は受けられますが、現在の状況によってやるべきことや条件が異なります。
まずは以下の表を見て、自分がどのタイプに当てはまるかを確認してみましょう。
失業保険を受けている場合、ハローワークに申告が必要
収入額に応じて失業保険が減額される、または先送りされる場合がある
失業保険をもらいながら公共職業訓練に通う場合、アルバイトをすること自体は禁止されていません。
ただし、働いた日はすべてハローワークに申告する必要があります。
1日4時間以上働くとその日は「就労」と扱われるため、職業訓練中に手当が支給されない仕組みです。
また、4時間未満でも収入額によっては手当が減ったり、支給が先送りされたりします。
「生活費を補いたい」と思って働いても、手当が減っては本末転倒になりかねません。
先にハローワークで働き方のイメージを伝えておけば「今は、就労を辞めたほうがいい」などのアドバイスをもらえるでしょう。
また、雇用保険の受給資格がなくて月10万円の「職業訓練受講給付金」を受け取りたい人は、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯収入が月30万円以下
- 世帯の貯金などが300万円以下
パート収入があっても利用できる可能性はありますが、少しでも基準を超えると給付金が受け取れないかもしれません。
申し込み前に収入見込みを計算し、窓口で確認するようにしましょう。
一方、会社勤めをしながら学びたい人は、失業者向けの公共職業訓練や求職者支援訓練は原則対象外です。
その代わりに、働いている人向けの「在職者訓練」や、条件を満たせば受講費の一部が戻ってくる「教育訓練給付金」といった制度を利用できます。
平日夜や土日だけの講座も多いため、仕事を辞めずにスキルアップしたい場合はこちらの制度を検討してください。
制度やルールは少し複雑に見えるかもしれません。
まずは「今の自分の立場」と「どれくらい働きたいか」を整理してからハローワークに相談することで、最適な選択肢を提案してもらえます。
職業訓練校をおすすめしない人は?民間スクールを検討したいケース
職業訓練校よりも、民間スクールがおすすめの人もいます。
自分が当てはまっているか確認するために、ケースごとに見ていきましょう。
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スキルレベルが高い人【例:事務職の実務で、PCスキル習得済みなど】
「仕事でWordやExcelは問題なく使えている」
「同僚に操作を教えることもある」
こういったパソコンのスキルレベルが高い人は「職業訓練校の授業内容は簡単すぎる…」と物足りなさを感じてしまうかもしれません。
事務の基礎を学べるコースには、パソコンに触れるのがほぼ初めてという人や、マウスの持ち方から学びたい人も参加しています。
必然的にゆっくり進行するため、普段事務職として働いている人からすると、知っている内容の繰り返しで、時間がもったいないと感じるでしょう。
ただ、今までとまったく違う仕事を目指したい場合は話が変わります。
一般事務から経理やIT系などにチャレンジしたいなら、未経験分野の基礎を体系的に学べる職業訓練は役に立つはずです。
「なんとなくスキルが不安」だからといって、急いで職業訓練を申し込むのはおすすめしません。
まずは、自分のスキルと将来目指す姿を明確にし、職業訓練で何を学ぶ必要があるか整理してから、最適な学習方法を選びましょう。
クラス内の人間関係にストレスを感じる人【例:受講生と接する機会あり】
職業訓練は複数の受講生と同じ教室で学ぶため、人と関わる機会が増えやすくなります。
知らない人ばかりの空間に不安を感じる人にとって、負担が大きいと感じる場合もあるでしょう。
実際、ガールズちゃんねるやYahoo!知恵袋などの掲示板では、以下の体験談が投稿されていました。
- 全体的に仲良かった
- LINEグループを作って仲間ができた
- 経験者と初心者の開きが大きくて嫌な雰囲気がある
- 明らかに給付金目当てで暇つぶしに来てる人がいた
年齢や経験はさまざまでも、ほどよく礼儀を守りながら、必要な会話だけを交わせる場合もあるようです。
ただ、コースによってはクラスの雰囲気が合わないケースもあるため、必要以上に気を遣ってしまう場面もあります。
もし職業訓練の空間に合わない人がいたら、無理に仲良くする必要はありません。
会話は挨拶や最低限の連絡にとどめ、休み時間は席を離れるなど距離を保ちましょう。
それでもつらいと感じる場合は、講師やハローワークの担当者に相談するのがおすすめです。
席替えや対応方法など、一人では思いつかない解決策を提示してもらえる場合があります。
「こんなことを相談していいのか」などと遠慮する必要はありません。
なるべく人との接触を減らしたい場合は、通学日数が少ないコースや一部の授業をオンラインで受けられるコースを検討してみてください。
教室に行く日数が減るだけでも、人間関係のストレスを大幅に減らせます。
ハローワーク公式サイトからコースを検索できるので、オンライン授業の有無や通学頻度を事前に確認しておくと安心です。
欠かさずに出席が難しい人【例:通学範囲が遠い、体調不良で休みやすいなど】
「毎日通うのは難しいかもしれない」と少しでも不安があるなら、申し込みの前によく検討する必要があります。
職業訓練は学校と同じように平日の朝から夕方まで毎日授業があり、出席に対して厳しいルールがあるからです。
とくに求職者支援制度で給付金をもらいながら受講する場合、全訓練日に出席することが求められます(※1)。
病気などやむを得ない理由で休んだとしても、1ヶ月ごとの出席率が8割を下回れば、原則給付金は受け取れません。
休みが多くなると、修了自体が認められないケースもあります。
自宅が遠くて通学に時間がかかる人や、持病やメンタル面での不調、家族の看病などで休みがちになりそうな人は、まず出席できるかどうか検討しなければなりません。
カレンダーを見ながら、通院や家族の予定を書き出した後に「平日日中に毎日通える体力や時間があるか」を冷静に確認しましょう。
もし、スケジュールを確認して「毎日の通学は厳しい」と感じるなら、通学以外の学び方を検討すべきです。
地域によっては、在宅中心で一部だけ通学するコースやフルオンラインのコースが用意されている場合もあります(※2)。
ハローワークの窓口で「通学距離が遠い」「体調に波がある」といった事情を正直に伝えて、自分に合うコースがあるか相談してみてください。
無理をして始めて途中で辞めてしまうよりも、自分の体調や生活に合ったタイミングで学ぶほうが、結果的に就職しやすくなるでしょう。
※1 参照:厚生労働省|雇用保険を受給できない求職者の皆さまへ 求職者支援制度があります!
※2 参照:愛知労働局|ハロートレーニング(公的職業訓練)Q&A
【体験談】職業訓練の受講後、変化・就職率はどのくらい?
実際、職業訓練を受けてから、良い変化はあるのか、就職率はどのくらいなのか、体験談から見ていきましょう。
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20代の体験談|無職から職業訓練に通い就職できた声も
20代で職業訓練校に通った人の体験談を見ると、多くの人が「受けて良かった」と前向きに感じています。
「無職からいきなり正社員」を目指すのではなく、職業訓練で準備を整えてから社会に出られる点が、多くの支持を集めている理由です。
実際に美容師を辞めて1年間ニートをした後、簿記の講座を受講し、今は会計事務所で働いて5年目の人もいます。
子育ての関係で修了後すぐ働けなかった人も「数年後のコロナ禍で在宅の書類作成の仕事に出会えたのは、訓練で身につけたパソコンスキルのおかげ」と振り返っていました。
また、ハロートレーニングで就職につながった事例でも、訓練で知識を習得してから採用された20代のエピソードが数多く掲載されています。
「自分はどんな働き方なら続けられそうか」を早めに見直せる職業訓練は、20代にとって価値のある選択肢と言えるでしょう。

30代の体験談|スキルアップで待遇の良い職場に再就職できた声も
30代で職業訓練を受けて再就職した人はたくさんいます。
例えば、30代半ばで事務系コースに通った人の体験談です。
事務の経験はあるものの、職歴のブランクに不安を感じていました。
しかし、職業訓練でパソコンスキルを復習後に、応募書類の添削や面接練習などのサポートを受けて、事務の正社員として再就職できたそうです。
他にも、未経験からスキルを身につけた体験談もあります。
職業訓練で日商簿記2級を取得した後に経理職への転職を成功させた人や、パソコンの基礎コースからスタートして派遣社員で経験を積んだ後、最終的に大手企業の社員になった人もいます。
こうした体験談から30代については、職業訓練を「転職先を保証してくれる場所」よりも「学び直しとスキルの土台を作れる場所」として活用する人が多い印象です。
自分の職歴に合ったコースを選びつつ、就職支援も最大限活用すれば、希望通りの職場へ再就職できる可能性は高まるでしょう。

40代の体験談|職業訓練のおかげで正社員に就職できた声も
40代で職業訓練に通った人の中には「資格を取得してそのまま正社員になれた」「新しい分野に挑戦できている」といった前向きな体験談が寄せられています。
「40代だから」と年齢を理由に諦める必要はありません。
実際に、40代でパソコン系の職業訓練に通った人は、授業で基礎を学び直しながら、期間中にWordとExcelの資格を取得しました。
資格取得の結果、職業訓練の修了を待たずに正社員の内定を獲得できたそうです。
また、40代半ばで美容や健康の仕事に興味を持ち、エステティシャン・セラピストコースに通っている人もいます。
「年齢的に正社員は難しいかもしれない」と感じつつも、担当スタッフが相談に乗ってくれるため、自分に合った働き方を前向きに探せているとのことです。
クラスには同年代やさらに上の世代の受講生がいる場合も多く、周りの頑張る姿に背中を押されたと話す人も少なくありません。
職業訓練は再就職のスタートラインに立つための場所です。
年齢の壁を感じている人こそ、受講すれば新たな可能性を広げられるでしょう。

「受けても意味ない」で終わらせない!訓練後のキャリアの活かし方
職業訓練はゴールではなく、新しい仕事に向けた準備期間です。
コースを修了しても、その後の半年や1年をどう過ごすかで、任される仕事の幅は大きく変わります。
「せっかく受けたのに意味がなかった」と後悔しないよう、訓練後のキャリアを広げるためのポイントを押さえておいてください。

まずは、授業以外の時間でも自主的に勉強を積み重ねましょう。
授業で学べる内容は基礎が中心のため、それだけでは現場で通用しない場合があるからです。
職業訓練で習った内容を復習するだけでなく、本や動画で興味のある分野を深く調べたり、課題を自分なりにアレンジしたりするだけでも、周りと差がつきやすくなります。
次に、訓練で作った作品はポートフォリオとして丁寧にまとめましょう。
「なぜこのデザインにしたのか」「どの順番で作ったのか」など制作の過程を書いておくと、採用担当者にあなたの考え方や仕事の進め方が伝わりやすくなります。
「さらに専門スキルを極めたい」と感じたら、教育訓練給付金を活用して民間のスクールで学ぶ方法もおすすめです。
条件を満たせば受講料の20〜80%が戻ってくるため、経済的な負担を抑えながら、訓練で身につけた基礎スキルを応用レベルへと引き上げられます。
最後に、クラスメイトや講師とのネットワークも職業訓練で得た財産です。
連絡を取り合えるような仲間がいれば、情報交換ができたり、仕事を紹介してもらえたりするチャンスが広がります。
一人で就職活動や仕事をするよりも心強く、困った時の相談相手としても頼りになるでしょう。
職業訓練の申し込み手順【細かい条件は職員に相談しよう】
職業訓練の申し込みは、細かいルールや書類があってややこしく見えますが、流れとしてはすごくシンプルです。
- 最寄りのハローワークで求職の申し込みをする
- 職業相談・コースを選択する
- 受講申込書をもらって提出する
- 選考試験を受ける
- 合格発表(結果が自宅に郵送などで通知)
- 合格した場合、ハローワークに行って手続きを行う
まずは住所地を管轄するハローワークへ行き、求職申し込みを済ませましょう。
窓口で「職業訓練を受けたい」と伝えれば、担当者が相談に乗ってくれます。
自分に合う職業訓練(公共職業訓練や求職者支援訓練)やコースが決まれば、受講申込書を募集期間内に提出し、訓練校で面接や筆記などの選考試験を受けます。
自宅に合格通知が届いたら、再度ハローワークで正式な手続きを行うのが大まかな流れです。
募集の締め切りや細かい条件はコースごとに異なりますが、細かいところまで完璧に覚える必要はありません。
窓口で「この書類で合っていますか」「給付金の対象になりますか」と確認すれば教えてくれます。
ネットの情報だけに頼らず、職員と相談しながら確実に手続きを進めていきましょう。
結論|職業訓練をきっかけにキャリアの土台を作ろう
自分にできる仕事・実現したい目標などに合わせて、職業訓練のコースを選ぶことが、キャリアを築くうえでの一歩につながります。
在宅ワークに必要なスキルや事務関係のスキル、未経験スタート可能な業界に関連したスキルなど、自身の未来につながりそうなものを選びましょう。
Webデザイナー・Web制作
デザインツール(Photoshopなど)
コーディング(HTML, CSS)
WordPress(CMS)
Webマーケティング・サイト運営
SEO知識
Web広告運用
アクセス解析
プログラミング・ITエンジニア
プログラミング言語(Java他)
データベース基礎
ネイリスト
ネイルケア、ジェルネイル技術
職業訓練中にお金を受け取れるかどうかという問題は、個人の状況によって変わるものです。
ハローワークの職員に聞くのが確実なため、悩む前にまず相談しましょう。
出席率が厳しい職業訓練が不安なら、例えば転職エージェントに頼って先に就職先を決めておくのも手です。
就職を優先させて、働きながら経済的に安定した生活を送りつつ、スキルアップのため民間スクールに通ってみてください。
現代人の多様な在り方に合ったスキルアップの方法は多くあるため、自分にぴったりな道を選んで、キャリアアップを図りましょう。
おすすめの職業訓練が気になる人がチェックしたいQ&A
おすすめの職業訓練が気になる人がチェックしておきたい内容について、Q&A形式で紹介します。
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土地や地域によって職業訓練の内容・特徴は変わるの?
職業訓練の内容は土地・地域によって特徴が変わります。
国が大枠を決めていますが、都道府県やポリテクセンターなどが、地域ごとの企業ニーズに合わせて職業訓練のカリキュラムを作っているからです。
そのため、住んでいる場所によっては、学びたい分野のコースがない場合もあるでしょう。
しかし、地元に希望のコースがなくても諦める必要はありません。
自宅から通える範囲であれば、他府県の職業訓練を受講できる場合があります。
また、最近はパソコンを使って自宅で受講できるオンライン型やeラーニングを取り入れた訓練も増えてきています。
場所に関係なくスキルを身につけられるのです。
「地方だから無理」と決めつけず、まずはハローワークの窓口で相談してみてください。
学びたい分野のコースが別の地域にしかない場合は交通費や通所手当、寄宿手当などの支援があるかどうかを、職員に相談すると情報をもらえるでしょう。
職業訓練校の選考に受かりやすい人の特徴・共通点は?
職業訓練校に受かりやすい人は「本気で働きたい気持ちが強い人」と「社会人マナーが備わっている人」です。
職業訓練の前に行われる面接では、特別なスキルを持っているかより、意欲やビジョンについてしっかり考えられているかが重視されます。
参照:厚生労働省|雇用・能力開発機構評価シート9(離職者訓練)
「この訓練で何を身につけたいか」「いつまでにどんな仕事に就きたいか」を明確に話せる人であれば、就職への本気度が伝わりやすくなるでしょう。
また、面接中の礼儀やマナーも合否を左右するポイントです。
以下ができていれば、面接官から「社会人としての基本が身についていて、企業に紹介しても安心だ」と評価されやすくなります。
- 入室時にしっかり名乗る
- 相手の話を聞いてから答える
- 落ち着いて分かりやすく話す
さらに、通学時間や体調管理、子育てや介護との両立方法、通所中の生活費の考え方などを事前に整理してアピールするのがおすすめです。
「意欲」も評価ポイントのため、きちんと考えてアピールすれば、途中で挫折せずに最後まで頑張り抜ける人と判断してもらえるでしょう。
職業訓練の受講者は何歳が多い?若い人ばかりが受けるもの?
職業訓練は10代から60代まで幅広い世代が利用しています。
「若い人ばかりだったらどうしよう」「40代の自分が参加して浮かないか」と不安に思う必要はありません。
令和5年度の調査によると、公共職業訓練では40代が、求職者支援訓練では20代が多いとわかりました。
20~24歳
6,437人
25~29歳
9,768人
30~34歳
8,652人
35~39歳
9,010人
40~44歳
9,408人
45~49歳
10,265人
参照:厚生労働省|ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)
公共職業訓練では45~49歳が最も多く、長く続けてきた仕事に一区切りをつけ、新たな分野へ挑戦しようとしている人が多いと考えられます。
一方、求職者支援訓練では25~29歳の層が多かったため、キャリアチェンジする際に利用されているようです。
ただ、どちらの訓練も特定の年代だけに偏っているわけではありません。
未経験からITや事務職を目指す20代や、正社員として再就職したい30〜40代、子育てが一段落した主婦や子育て世代など、さまざまな背景を持つ人が集まります。
「自分だけ浮いたらどうしよう」と心配するよりも、「自分と近い境遇の人がいるかもしれない」と思った方が、安心して参加できるでしょう。

